
「毎月の勤怠チェックに半日以上かかっていた」「紙でのやり取りが多く、ミスも発生しがちだった」―これは、多くの企業が抱える共通の悩みではないでしょうか。
食品物流のインフラを支えるABCフローズン株式会社様も、同様の課題に直面していました。同社は、正社員、嘱託社員など多様な働き方が存在する中、複雑な勤怠ルールを手作業でチェックしており、管理部門に大きな負担がかかっていました。
今回、株式会社クローバ経営研究所が提供する業務改善コンサルティングをご導入いただき、Googleスプレッドシートを最大限に活用した勤怠エラーチェックシステムを構築。属人化していたアナログ業務からの脱却と、大幅な効率化を実現されました。その成功の裏側を、担当者の皆様に伺いました。
お客様プロフィール
- 企業名: ABCフローズン株式会社
- ご担当者: 佐藤 陽子様、田中 利久様、鈴木 誠様
- 事業内容: 冷凍・冷蔵食品の保管・荷役・流通加工・輸配送
導入前の課題:複雑なルールと手作業による限界
勤怠の締め日になると、管理部門は膨大な量のデータと格闘していました。
「『勤怠管理ソフトJ』(勤怠管理システム)から全従業員分のデータをExcelで出力し、それを一件一件、目視でチェックしていました。特に、当社は従業員ごとに休日日数の設定が異なったり、深夜残業の計算が複雑だったりと、独自のルールが多いんです。エラーがあれば印刷して朱入れし、各事業所の責任者に確認を依頼する…という流れで、とにかく時間と手間がかかっていました」。(田中様)
紙でのやり取りは、確認漏れや修正ミスの温床にもなりかねません。本来であればもっとコア業務に時間を割きたいのに、毎月繰り返されるこの作業が大きな負担となっていたのです。
「人の目でのチェックには限界があると感じていました。ミスが許されない業務だからこそ、誰がやっても同じ精度で、かつスピーディーに処理できる仕組みが必要でした」。(佐藤様)
ご提案と導入のポイント:"顧客自身が使いこなせる"ことを追求したシステム設計
弊社が提案したのは、高価な専用システムではなく、Googleスプレッドシートの関数を主体とした、柔軟で拡張性の高い勤怠エラーチェックシステムです。
提案のポイント
- 「脱・属人化」とメンテナンス性:プログラミング(GAS)の使用を最小限に留め、お客様自身が将来的にルールの追加や変更を行えるよう、スプレッドシートの関数を中心に設計。これにより、長期的な運用コストを抑え、ブラックボックス化を防ぎます。
- 圧倒的な業務効率化フロー:ExcelデータをGoogleドライブにアップロードするだけで、自動でスプレッドシートに変換。ボタン一つで全従業員のデータが取り込まれ、エラーチェックが完了する仕組みを構築しました。
- エラーの可視化とスムーズな連携:エラーがある従業員だけが一覧でハイライト表示されます。管理者は各事業所の責任者へチャットツールでURLを共有するだけ。責任者はURLを開けば自分の部署のエラー状況が一目瞭然となり、修正もスムーズに行えます。
「打ち合わせの段階で、私たちの細かい要望を丁寧にヒアリングし、それを具体的なシステムに落とし込んでくれました。特に、従業員ごとに異なる休日日数の設定を個別に管理できるようになったのは画期的でした。『ここまでやってくれるのか』と驚きましたね」。(田中様)
また、開発途中でお客様からいただいた「毎月、ファイルへのアクセス許可を一人ひとりクリックするのが手間だ」というご意見にも迅速に対応。データ移行処理を自動化することで、その手間さえも解消しました。
導入後の効果:チェック時間は1/4以下に!「人の目では見つけられないエラー」も発見
システムの導入効果は、すぐに現れました。
「これまで半日以上かかっていたチェック作業が、今では1時間もかからずに終わります。慣れればもっと早くなるでしょう。印刷も不要になり、ペーパーレス化も実現できました。何より、精神的な負担が全く違います」。(田中様)
システムの正確性は、人間の目視を遥かに凌駕していました。
「テスト運用の段階で、私たちが意図的に作成したエラーデータだけでなく、これまで見過ごしていた潜在的なエラーまで発見してくれたんです。『やっぱりシステムがないと限界がある』と、改めて実感しました。本当にありがたいです」。(佐藤様)
導入による主な効果
- 勤怠チェックにかかる時間が80%以上削減
- 印刷コストや確認の手間がなくなり、完全ペーパーレス化を実現
- ヒューマンエラーが撲滅され、データの正確性が飛躍的に向上
- エラー箇所が即座に特定でき、全社的な勤怠管理の質が向上
- 将来的には残業時間の集計など、給与計算業務への応用も可能に
今後の展望と弊社への期待:内製化も視野に、さらなるDX推進へ
今回の成功体験は、ABCフローズン株式会社様のDX推進に向けた大きな一歩となりました。
「今後は、残業時間の集計などもこのシステム上で行えるようにカスタマイズし、給与計算まで一気通貫で効率化したいと考えています。クローバ経営研究所さんには、納品して終わりではなく、操作方法のレクチャーや、動画からマニュアルを自動作成するAI活用術まで教えていただけるということで、心強く思っています。これを機に、他の業務でもAIやITを活用して、社内全体の生産性を上げていきたいですね」。(佐藤様)
株式会社クローバ経営研究所は、これからもお客様の"自走"を支援し、事業成長に貢献する真のパートナーであり続けます。
貴社も、このようなお悩みはありませんか?
- 毎月の繰り返し業務に追われ、コア業務に集中できない
- 業務が属人化しており、担当者がいないと仕事が止まってしまう
- ITやAIを活用したいが、何から手をつけていいか分からない
まずはお気軽にご相談ください。専門のコンサルタントが、貴社の課題に最適な解決策をご提案いたします。
担当コンサルタントより

株式会社クローバ経営研究所 CTO 吉井 亮二
この度は、弊社のサービスをご導入いただき、誠にありがとうございました。ABCフローズン株式会社の皆様と対話を重ねながら、二人三脚でシステムを構築できたこと、そして「業務が楽になった」というお言葉をいただけたことを、心から嬉しく思います。
今回のプロジェクトで私が最も大切にしたのは、「納品して終わりではなく、お客様がこの先もずっと使いこなし、育てていけるシステムであること」です。
あえてプログラミング(GAS)を最小限に抑え、皆様が見慣れたスプレッドシートの関数を主体にしたのも、そのためです。高機能でも中身がブラックボックスでは、いずれ使われなくなってしまいます。将来、新しいルールが増えた時も、皆様自身でメンテナンスできる。そんな「持続可能な仕組み」を目指しました。
打ち合わせの中でいただいた「アクセス許可を毎回押すのが大変」といった現場の率直な声が、システムをより良いものへと進化させてくれました。まさに、お客様と一緒に作り上げたシステムだと感じています。
今回の取り組みは、勤怠管理という一つの業務改善に留まりません。私は、これをきっかけに、社員の皆様が**「自分たちの手で、AIやITを使って業務をもっと良くできるんだ」**と実感していただくことこそが、真のDXだと考えています。
専門的な知識は、もはや必須ではありません。大切なのは「こうなったら便利だな」というアイデアです。私たちは、そのアイデアを形にするための"伴走者"として、これからも皆様の挑戦を全力でサポートさせていただきます。
この度は、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。